医療費・支援制度

最大5万円|東京都不妊検査等助成を徹底解説【2026年度】

不妊検査および一般不妊治療に要した費用の一部を東京都が助成する制度。対象期間、夫婦の要件、申請期限を確認する。

佐藤
最近、友達から「不妊検査を受けてみようかな」って相談されたんですけど、東京都に5万円の助成があるって本当ですか?
室谷
本当ですよ。「東京都不妊検査等助成」という制度で、保険診療の不妊検査や一般不妊治療にかかった費用の一部を最大5万円助成してもらえます。夫婦1組につき1回が上限ですが、まず一歩踏み出すためのサポートとしてはかなり手厚いですよ。
佐藤
えっ、5万円!それはでかいですね。でも「一般不妊治療」って、体外受精とかも含まれるんですか?
室谷
そこは混乱しやすいポイントなんですが、この制度では体外受精や顕微授精は対象外です。あくまで「不妊検査」と「一般不妊治療」—つまりタイミング指導・薬物療法・人工授精あたりが対象になります。体外受精を使う「特定不妊治療」は別の助成制度があるんですよ。
佐藤
なるほど、制度がちゃんと分かれているんですね。じゃあどんな検査が具体的に対象になるんだろう。

対象となる検査と治療

東京都不妊検査等助成 対象検査・治療 概要図

室谷
夫と妻それぞれで対象が分かれています。表でまとめましょう。
区分
不妊検査 精液検査、内分泌検査、画像検査、精子受精能検査、染色体・遺伝子検査 など 超音波検査、内分泌検査、感染症検査、卵管疎通性検査、子宮鏡検査 など
フーナーテスト 両者共通
一般不妊治療 待機療法(タイミング指導)、薬物療法、人工授精 など
佐藤
けっこう幅広いですね。精液検査とか卵管の検査とか、基本的なものは全部入りそう。
室谷
そうなんです。ただし夫婦両方が検査を受けていることが条件の1つです。「妻だけ検査した」とか「治療だけ受けて検査は受けなかった」は対象外になるので注意が必要です。
佐藤
えっ、夫側も受けないといけないんですか!
室谷
そうです。精液検査など夫側の検査が必要な理由としては、不妊の原因が妻だけとは限らないので、夫婦で一緒に原因を調べるのが医学的にも正しいアプローチなんですよね。この制度の趣旨でもあります。
佐藤
なるほど、それは理にかなってますね。じゃあ次に、そもそも誰が対象なのか教えてもらえますか?

申請できる人の要件

室谷
申請できるのは「不妊検査を開始した日から申請日までに法律婚または事実婚の関係にある夫婦」です。要件は3つあります。

:::pointbox{title="申請要件 3つ全て満たすこと"}

  • 要件1: 検査開始日から申請日まで、夫婦いずれかが継続して東京都内に住民登録していること
  • 要件2: 検査開始日における妻の年齢が40歳未満であること(夫婦それぞれの検査開始日のうち早い方が基準)
  • 要件3: 助成対象期間内に保険医療機関で夫婦ともに助成対象の検査を受けていること :::
佐藤
妻が40歳未満っていうのは、検査を始めた日時点で、ということですか?
室谷
正確には「夫婦それぞれの検査開始日のいずれか早い日」が基準です。仮に夫が先に検査を受けた日が2026年4月1日で、そのとき妻がまだ39歳であれば、後から妻が40歳になっていても問題ありません。基準日の時点で39歳以下であれば大丈夫です。
佐藤
細かい日付の取り方が重要なんですね。事実婚の場合は書類が追加で必要になりますか?
室谷
事実婚の方は要件が少し増えます。(1)検査開始日から申請日までの間に他に法律上の配偶者がいないこと、(2)その期間に事実婚の届出をしていること、という追加要件があります。また住民票で事実婚関係が確認できない場合は、2人が事実婚であること・出生した子を認知する意向があることを申立書で申告する必要があります。
佐藤
事実婚のカップルもちゃんと対象になっているんですね。東京都は制度が整っている印象です。では申請できる期間ってどうなっていますか?

助成対象期間と申請期限

室谷
助成対象期間は、夫婦のうち早い方の検査開始日から1年間です。ただし、妊娠が判明した場合や特定不妊治療(体外受精等)に移行した場合は、その時点で対象期間が終了します。
佐藤
じゃあ申請期限は1年以内ということですか?
室谷
申請期限は検査開始日によって異なるんです。2024年4月1日(令和6年4月1日)以前に開始した場合と、2024年4月2日(令和6年4月2日)以降に開始した場合で変わります。
検査開始日 申請期限
令和6年4月1日以前に開始 検査開始日から1年以内(治療継続中は1年経過後3か月以内も可)
令和6年4月2日以降に開始 検査開始日から2年以内
佐藤
2024年4月2日以降に始めた人は2年間猶予があるんですね。これは変更されたんですか?
室谷
そうです。2025年4月1日(令和7年4月1日)から変更されました。令和6年4月2日以降に検査を開始した夫婦は、2年以内に申請すればよくなったんです。たとえば2024年4月2日に検査を開始した場合、申請期限は2026年4月1日となります。

:::warning{title="申請期限は絶対に守ること"} どんな理由があっても、申請期限を過ぎた後の対応はできません。書類が揃っていない場合でも、揃っている書類だけを期限内に電子申請し、後から追加できます。迷ったら早めに申請を始めてください。 :::

佐藤
一部の書類が間に合わなくても先に出せるのは助かりますね。じゃあ実際の申請の流れを教えてもらえますか?

申請の流れ

東京都不妊検査等助成 申請から振込までの流れ

佐藤
電子申請が原則なんですね。スマホからでも申請できますか?
室谷
LoGoフォームはスマホでも入力できますよ。ただし、証明書や住民票などの書類は原本が必要なものがあるので、スキャンまたは写真を撮って添付する必要があります。電子申請が難しい場合は、電話(03-5320-4362)に相談すれば郵送対応の案内をしてもらえます。
佐藤
郵送の場合は注意点がありますか?
室谷
郵送の場合は簡易書留や特定記録郵便など、差出・配達が証明できる方法で送ってください。普通郵便での不着事故は責任を負えません、とはっきり明記されています。追跡番号は承認決定通知書が届くまで保管しておくことをお勧めします。
佐藤
書類の話が出たので、必要書類を全部教えてもらえますか?

申請に必要な書類

室谷
基本的に必要な書類は3種類です。
書類 備考
不妊検査等助成事業受診等証明書(原本・コピー不可) 医療機関に発行依頼。夫婦が別々の医療機関を受診した場合は両方必要
住民票の写し(原本・コピー不可) 夫婦2人分が記載されたもの。申請日から3か月以内に発行されたもの。マイナンバーの記載不要
戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)(原本・コピー不可) 婚姻関係・婚姻日を確認。申請日から3か月以内に発行されたもの
佐藤
住民票は夫婦2人分の記載が必要なんですね。世帯が別れていたら2通必要になりますか?
室谷
夫婦が同一世帯であれば1通でOKです。別世帯の場合は2通必要になることがありますね。また、検査開始日と申請日時点で住んでいる区市町村が違う場合は、戸籍の附票の写し(原本)も追加で必要になります。
佐藤
転居した人は追加書類が必要なんですね。それにしても全部原本なのが大変そう。
室谷
そうなんです。コピー不可というのがポイントで、特に受診等証明書は医療機関に発行してもらう必要があるので早めに動くのが吉です。文書料が発生する場合もあるので、事前に医療機関に確認しておくといいですよ。
佐藤
助成が振り込まれるのはどのくらいかかりますか?
室谷
申請が受理されてから、書類に不備がなければ2〜3か月後に承認決定通知書が届きます。その通知書の受取から約1か月後に指定口座に振り込まれます。つまり合計で早くても3〜4か月、場合によっては半年近くかかることもあります。
佐藤
思ったより時間がかかるんですね。でも確実にもらえるなら待つ価値はある。

よくある疑問 Q&A

佐藤
この制度ってよくある疑問とかありますか?
室谷
Q&Aを公式が出しているので、ポイントをまとめますね。
佐藤
たとえばどんな質問が多いんですか?
室谷
「第2子を希望しているが、第1子の妊娠に向けて不妊治療をしていた。再度申請できるか?」というのがよく来るようです。
佐藤
それってできるんですか?
室谷
条件付きでできます。ただし2024年5月1日(令和6年5月1日)以降に検査を開始した夫婦から適用という日付の制限があります。また過去に当事業の助成を受けたことがある夫婦は申請できません。助成は夫婦1組1回きりです。
佐藤
じゃあ「特定不妊治療(体外受精)のための検査」は対象外、ということでしたが、どこで線引きされるんですか?
室谷
本事業は「不妊を把握するための一般的な検査と治療」を対象としています。体外受精に特化したステップ(採卵前の卵巣刺激の注射代など)は対象外です。逆に体外受精を最終的にしたとしても、その前段階で行った一般不妊検査は対象になり得ます。境界線は複雑なので、医療機関や東京都に確認が必要です。
佐藤
ブライダルチェックはどうですか?結婚前に受ける健康診断みたいなやつ。
室谷
ブライダルチェックは対象外です。「将来の妊娠に向けてヘルスチェックを行いたい」という目的での検査は、この制度の「不妊の原因を調べる検査」とは区別されています。
佐藤
自費診療で受けた不妊検査はどうなりますか?
室谷
残念ながら、保険医療機関での保険診療に限定されています。自由診療(自費診療)は対象外です。保険証を使って受診した検査が対象になります。
佐藤
他の自治体でも不妊検査の助成を受けていたら?
室谷
他の自治体で助成を受けていた場合、本事業の助成対象にならないことがある、と明記されています。引っ越しをした場合は要注意です。

:::pointbox{title="お問い合わせ先"}

佐藤
わかりやすいです。では関連する他の制度も教えてもらえますか?

関連する東京都の制度

:::pointbox{title="不妊・妊活に関連する東京都の制度"}

佐藤
東京都って段階ごとに制度があるんですね。
室谷
そうなんです。「不妊の原因を調べる」→「一般不妊治療」→「体外受精等の特定不妊治療」という流れで、それぞれに対応した助成があります。不妊検査等助成はまず入り口の段階、ということですね。
佐藤
あと医療費控除とかとの関係はどうですか?
室谷
助成金を受け取った分は医療費控除の対象から差し引く必要があります。たとえば年間の不妊治療費が30万円かかって5万円の助成を受けた場合、医療費控除の計算では25万円をベースにします。医療費控除(確定申告)も賢く活用することで、実質的な負担をさらに下げられますよ。
佐藤
組み合わせると節税にもなるんですね。

制度比較: 他の不妊関連助成との違い

制度名 対象 助成上限 助成回数 対象者年齢
東京都不妊検査等助成(本制度) 不妊検査・一般不妊治療 5万円 夫婦1回 妻40歳未満
東京都特定不妊治療費助成 体外受精・顕微授精等 別途確認 別途確認 別途確認
高額療養費制度 保険診療全般 月額上限あり 毎月利用可 年齢制限なし
医療費控除(確定申告) 医療費全般 実費に応じた控除 毎年利用可 年齢制限なし
佐藤
高額療養費制度とか医療費控除との組み合わせも考えておくといいですね。
室谷
そうです。高額療養費制度は保険診療が月単位で一定額を超えた場合に超過分が戻ってくる制度ですし、医療費控除は年間の医療費が10万円を超えた場合に確定申告で税金が減らせる制度です。それぞれ窓口も申請方法も異なるので、担当者に相談するのが一番ですね。

審査のポイントと攻略法

:::pointbox{title="スムーズに審査を通過するためのポイント"}

  • 受診等証明書は早めに依頼 — 医療機関が発行する証明書は作成に時間がかかる場合あり。また文書料が必要な場合があるので事前確認を
  • 住民票は3か月以内のもの — 発行が古すぎると受理されない。申請直前に取得するのが確実
  • 夫婦両方の書類を漏らさない — 夫婦が別の医療機関を受診した場合、それぞれの証明書が必要
  • 転居している場合は戸籍附票も準備 — 検査開始日と申請日で住所が異なる場合は追加書類あり
  • 書類不備でも期限内に提出 — 間に合わない書類があっても、期限内に揃っている書類だけ提出し、あとから追加できる :::
佐藤
受診等証明書が一番ハードルが高そうですね。
室谷
そうですね。医療機関によっては作成に1〜2週間かかることもあります。診察の際に「不妊検査等助成の受診等証明書を発行してほしい」と伝えておくといいですよ。また複数の医療機関で受診している場合は、それぞれから証明書が必要になります。
佐藤
コストを最小化するコツはありますか?
室谷
電子申請がスムーズで推奨されています。書類の写真を撮ってアップロードする形なので、わざわざ窓口に行く必要はありません。住民票はコンビニのマルチコピー機でも取得できます(マイナンバーカードが必要)。まず電子申請フォームにアクセスして、必要事項を確認してから書類収集を進めるのが効率的です。

:::warning{title="他の自治体の助成との二重取りに注意"} 他の自治体でも同様の不妊検査助成を受けている場合、東京都の本制度の対象にならないことがあります。引っ越して東京都に転入した場合は、前の自治体での受給歴を確認してから申請してください。 :::

基本情報まとめ

項目 内容
制度名 東京都不妊検査等助成
助成上限 5万円(夫婦1組1回限り)
対象 保険医療機関での不妊検査・一般不妊治療費用
申請者要件 夫婦いずれかが都内在住、妻が検査開始日時点で40歳未満、夫婦両方が対象検査を受けていること
助成対象期間 検査開始日から1年間
申請期限 令和6年4月1日以前開始の検査: 検査開始から1年以内 / 令和6年4月2日以降開始の検査: 検査開始から2年以内
申請方法 原則電子申請(LoGoフォーム)
申請フォームURL https://logoform.jp/form/tmgform/682129
問い合わせ 東京都福祉局子供・子育て支援部母子健康支援課(03-5320-4362)平日9時〜17時
公式URL 東京都福祉局 不妊検査等助成事業
実施機関 東京都
佐藤
まとめてくれてありがとうございます。実際に検査を受けようと思ったら、まず何をすればいいですか?
室谷
まず「不妊検査と一般不妊治療を実施している医療機関」の一覧を東京都福祉局のサイトで確認してから、受診する医療機関を選ぶのがいいでしょう。受診の際には「東京都不妊検査等助成を利用したいので、受診等証明書の発行をお願いしたい」と伝えておくとスムーズです。
佐藤
医療機関側もこの制度を知っているんですか?
室谷
知っている医療機関がほとんどですよ。東京都は不妊検査等実施医療機関の一覧(Excelファイル)をホームページで公開していて、対応できる医療機関を事前に調べられます。不妊に詳しい産婦人科や泌尿器科で受診するのが一般的です。
佐藤
ありがとうございます。不妊に悩んでいるカップルにとって、背中を押してもらえる制度ですね。
室谷
そうですよ。「検査を受けてみたいけど費用が心配」という人に、まず一歩踏み出してもらうための制度です。5万円というのは、不妊検査一式の費用を考えるとかなり大きなサポートです。申請期限を意識しながら、早めに準備することをお勧めします。

一次情報・申請先: 東京都

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、制度は改正される場合があります。最新の要件・金額は必ず上記の公式ページや窓口でご確認ください。