医療費・支援制度

高額介護サービス費とは?自己負担上限額・申請方法・計算例を徹底解説

介護保険サービスの自己負担が月の上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度。所得区分ごとに上限が設定されている。

介護サービスを使ったら費用が戻ってくる?知っておきたい制度の話

佐藤
室谷さん、うちの親が要介護2になって、デイサービスとかヘルパーさんを使いはじめたんですよ。毎月の費用が結構かかって「高額介護サービス費」ってものを申請したほうがいいって言われたんですが、どういう制度なんですか?
室谷
それは絶対に申請したほうがいいやつです!(笑)ざっくり言うと、介護保険サービスを1か月に使った自己負担額が一定の上限を超えたら、超えた分が後から戻ってくる制度なんです。介護保険法の第51条に根拠があって、市区町村が支給する給付金ですね。
佐藤
えっ、超えた分が全部戻ってくるんですか? マジですか。
室谷
全部というか、「上限額を超えた分」が戻ってきます。所得によって上限額が違うんですけど、例えば普通の会社員世帯(住民税課税世帯)なら月に4万4400円が上限で、それを超えたら超えた分を払い戻してもらえます。
佐藤
4万4400円か〜。介護サービスをフルに使うとそれ以上かかることもあるわけですよね。
室谷
そうなんです。特に要介護4や5の方で、施設も使いながら在宅サービスも組み合わせている場合は普通に超えてくることがあります。知らないで申請しないままでいる方も多くて、本当にもったいないんですよね。
佐藤
知らなかった〜。ちゃんと制度の中身を理解したいんですけど、まず「対象になる人」って誰なんですか?
室谷
介護保険の被保険者(第1号・第2号)で、介護保険サービスを利用している方が対象です。要介護1〜5の認定を受けた方も、要支援1・2の方も使えます。要支援の方向けには「高額介護予防サービス費」という名称になりますが、仕組みは同じです。
佐藤
じゃあ要介護認定を受けていれば、収入が多くても少なくても誰でも使えるってことですか?
室谷
そうです。所得の多い少ないにかかわらず制度自体は使えます。ただ、払い戻される上限額(つまり自己負担の上限)が所得によって違うので、高所得の方ほど上限が高くなり、低所得の方ほど上限が低くなる(手手厚く保護される)仕組みです。じゃあ次に具体的な上限額を見てみましょう。

高額介護サービス費のしくみ:所得区分別の月額上限

所得区分別の月額自己負担上限額

佐藤
所得によって上限が違うって聞きましたが、具体的にどんな区分があるんですか?
室谷
令和3年8月に制度が改正されて、以下の区分になっています。「世帯」の上限は、同じ世帯の介護保険利用者全員の合計額で考えます。
所得区分 月額上限(個人) 月額上限(世帯合計)
第1段階(生活保護受給者等) 15,000円 15,000円
第2段階(住民税非課税・年収80万円以下等) 15,000円 24,600円
第3段階①(住民税非課税・年収80万円超120万円以下等) 個人上限なし 24,600円
第3段階②(住民税非課税・年収120万円超等) 個人上限なし 24,600円
第4段階(住民税課税世帯・一般) 個人上限なし 44,400円
現役並み所得者(課税所得145万円以上) 個人上限なし 44,400円
佐藤
あれ、第1・2段階の「個人15,000円」って何ですか?世帯合計とは別に個人の上限もあるんですか?
室谷
いい質問です!低所得の方は、世帯で合算しても個人単位でも上限が設けられています。第2段階以下の方は、1人あたりの上限が月15,000円なので、同じ世帯に複数の介護利用者がいても、一人ひとりが15,000円を超えた分は各自に払い戻されます。世帯合計は24,600円ですが、個人が15,000円を超えた部分も別途戻ってきます。
佐藤
ほんとに?(笑)それじゃあ2人いたら2人分それぞれ超えた分が戻ってくるわけですね。
室谷
そうなんです。だから低所得世帯ほどより手厚く保護される仕組みになっています。
佐藤
ちなみに「現役並み所得者」って、うちの親くらいの年金収入でも該当することはあるんですか?
室谷
「現役並み所得者」というのは、世帯内に課税所得が145万円以上の第1号被保険者(65歳以上の方)がいる場合です。年金収入だけでも、他の所得も含めて課税所得145万円以上になると現役並み所得区分になります。ただし、世帯の年収合計が夫婦で520万円未満、単身で383万円未満なら通常の「第4段階(一般)」に戻ります。
佐藤
そこは確認が必要そうですね。じゃあ令和3年8月の改正で何が変わったんですか?
室谷
一番大きな変化は、令和3年8月から「現役並み所得者」の上限額が月37,200円から44,400円に引き上げられたことです。現役並みの所得がある方の自己負担が増えた改正ですね。低所得の方の上限額は変わっていません。
佐藤
なるほど、高所得の方の自己負担が増えた改正だったんですね。今の自分の親がどの区分か確認するにはどうすればいいですか?
室谷
介護保険証(介護保険被保険者証)と一緒に届く「負担割合証」に所得区分の情報が書かれています。または住所地の市区町村の介護保険課に問い合わせると教えてもらえます。
佐藤
負担割合証、確認してみます。次に、実際の申請の話を聞きたいんですが、どんな手続きが必要なんですか?

申請の流れと実際の手続き

佐藤
申請って面倒そうなイメージがあるんですが、実際はどうなんですか?
室谷
ここが高額介護サービス費の最大のポイントなんですよ。初回だけ申請が必要で、2回目以降は自動的に振り込まれます!
佐藤
えっ、ほんとに?じゃあ最初だけ手続きすれば、あとはほっておいても戻ってくるんですか?
室谷
そうです!だから最初の申請だけしっかりやれば、その後は自動で対応してくれます。ただし、転居や所得変更などがあった場合は再度確認が必要なことがあります。

高額介護サービス費 申請から払い戻しまでの流れ

佐藤
3か月後かあ。ちょっと先ですね。でも自動で来るのは楽だ。
室谷
そうなんです。ただ、うっかり市区町村からの通知を無視したり、申請書を出さないままにしてしまう方が多くて。届いたら必ず期限内に提出してください。申請期限は、通常サービス利用月の翌日から2年以内です。2年過ぎると権利が消滅するので注意が必要です。
佐藤
2年!それなりに余裕はありそうですね。でも気をつけないと。申請するときに必要な書類って何ですか?
室谷
基本的に必要なのはこの4点です。
必要書類 備考
高額介護サービス費支給申請書 市区町村から郵送されてくる
介護保険被保険者証 原本確認後に返却される
印鑑(認印可) 自署の場合は不要な市区町村もあり
振込先口座の情報 本人名義が基本(家族名義可の自治体も)
佐藤
比較的シンプルですね。それ以外の注意点はありますか?
室谷
代理申請もできます。家族が代わりに行く場合は、本人の介護保険証と代理人の本人確認書類(運転免許証など)が必要です。あと、振込先は基本的に本人名義口座ですが、自治体によって成年後見人や家族名義でも対応している場合があります。詳細はお住まいの市区町村に確認してください。
佐藤
了解です。次はどんな費用が「対象になる」のかを教えてもらえますか?

対象になる費用と対象外の費用

佐藤
介護保険サービスの費用なら何でも対象になるわけじゃないんですか?
室谷
惜しい!介護保険サービスの「利用者負担分(1〜3割の自己負担)」が対象です。保険給付の対象になっていない費用や、全額自己負担の部分は対象外になります。
佐藤
具体的にどういう費用が対象で、どういう費用が対象外なんですか?
室谷
まとめるとこんな感じです。
対象になる費用(例) 対象外の費用(例)
訪問介護(ヘルパー)の利用者負担 食費・居住費(施設の場合)
デイサービス(通所介護)の利用者負担 日常生活費(洗濯代・理美容代等)
ショートステイの利用者負担 福祉用具購入費(支給限度額超え分)
特別養護老人ホーム等施設サービスの利用者負担 保険外の自費サービス
グループホームの利用者負担 住宅改修費(支給限度額超え分)
佐藤
食費や居住費は含まれないんですね。
室谷
そうなんです。特に施設入所している方の場合、食費・居住費が別途かかるので「なんで戻らないんだろう?」という声を聞くことがあります。食費・居住費は「補足給付(特定入所者介護サービス費)」という別の制度で低所得の方を支援していますが、高額介護サービス費の対象外です。
佐藤
なるほど。じゃあ、施設に入っている親がいる場合は、食費・居住費は別の制度を調べる必要があるということですね。
室谷
そうです。施設利用者の方は、高額介護サービス費と補足給付の両方を確認するといいです。あわせて、医療費も家族の介護費用も両方高い場合は高額医療・高額介護合算療養費制度も使える可能性があります。
佐藤
あ、それは別の記事で読みました!医療費と介護費を合わせて年間の上限を設ける制度でしたよね。
室谷
そうです!よく覚えてましたね(笑)。その制度と高額介護サービス費は両方使えるので、重複の活用がポイントです。次に、実際の計算例で確認してみましょう。

実際の計算例で確認してみよう

佐藤
具体的な数字で見ないと実感が湧かないので、例で教えてもらえますか?
室谷
じゃあ、よくある2つのパターンで計算してみましょう。

:::pointbox{title="計算例1:住民税課税世帯(一般)の場合"}

  • 前提: 70歳の田中さん(住民税課税、課税所得145万円未満)、デイサービスと訪問介護を利用
  • 月のサービス費用: 90,000円(1割負担のため9,000円が自己負担)

この場合の計算: 9,000円 < 44,400円(上限額)のため、高額介護サービス費の対象外

  • 別パターン: 月のサービス費用が500,000円(3割負担なら150,000円が自己負担)の場合
  • 払い戻し額: 150,000円 - 44,400円 = 105,600円が戻ってくる! :::
佐藤
おお!15万の自己負担のうち10万以上が戻ってくるんですね!
室谷
ですね。ただ、1割負担で9,000円という一般的な利用なら対象にならないことも多いです。ただ3割負担の方や、複数のサービスをフルに使っている方は十分に上限を超えてきます。

:::pointbox{title="計算例2:住民税非課税世帯(第3段階①)の場合"}

  • 前提: 75歳の佐々木さん(住民税非課税、年収90万円)、ショートステイ(宿泊含む)を月に15日利用
  • 月の介護費用合計: 70,000円(1割負担で7,000円が自己負担)

この場合の計算: 7,000円 < 24,600円(世帯上限)のため、高額介護サービス費の対象外

  • 別パターン: 夫婦2人ともサービスを利用して合計自己負担が50,000円になった場合
  • 払い戻し額: 50,000円 - 24,600円 = 25,400円が戻ってくる! :::
佐藤
夫婦で合わせると超えることもありますね。それで「世帯合計」の話が出てくるんですね。
室谷
そうなんです!同じ世帯で2人以上が介護保険を使っている場合は、世帯全体で合算して計算するのがポイントです。個別では超えなくても、合算すると超えることがあります。
佐藤
なるほど〜。家族で介護を受けている方が多いお家は特に要確認ですね。じゃあ、申請を忘れていた場合ってどうなるんですか?
室谷
申請権はサービス利用月の翌日から2年は有効です。ただし、市区町村によっては積極的に案内してくれるところと、自分から申請しないと教えてもらえないところがあります。「そんな制度があったの?」と気づいたなら、まずは2年以内かどうかを確認して、すぐに窓口に相談してください。
佐藤
わかりました。じゃあ審査のポイント、というか申請で気をつけることはありますか?

申請時の注意点と失敗しないためのポイント

佐藤
申請で失敗しないためのポイントを教えてください。
室谷
この制度は「給付」なので、審査で落とされるということは基本ありません。上限額を超えていれば必ず支給されます。ただ、実務上で気をつけることはいくつかあります。

:::pointbox{title="高額介護サービス費 申請5つのポイント"}

  • ポイント1: 市区町村から申請書が届いたら放置しない。届いてから2年以内が申請期限
  • ポイント2: 初回の振込口座は本人名義が基本。家族名義が使えるかは自治体に確認
  • ポイント3: 引っ越した場合は転居先の市区町村で再申請が必要(自動引き継ぎにならない)
  • ポイント4: 所得が変わって区分が変わった場合は、上限額が変わる可能性がある
  • ポイント5: 住民税非課税の認定を受けていた方が翌年から課税になった場合、区分が変わり上限が上がる(払い戻し額が減る) :::
佐藤
引っ越したときに再申請が必要なのは知らなかったです!
室谷
これ、意外と落とし穴なんです。市区町村をまたぐ転居の場合は、自動的に引き継がれないので、新しい市区町村で最初から申請し直す必要があります。
佐藤
毎年見直しもあるんですか?
室谷
所得区分は毎年8月に更新されます。前年の所得に基づいて区分が決まるので、年によって上限額が変わる場合があります。8月になったら確認しておくといいですね。

:::warning{title="こんな場合は要確認!"}

  • 施設入所中の場合: 食費・居住費は対象外。補足給付(特定入所者介護サービス費)と合わせて確認が必要
  • 世帯分離をしている場合: 世帯が別になると合算対象が変わる。住民票上の世帯が基準
  • 同居家族に高所得者がいる場合: 65歳以上の被保険者の所得区分に影響しない(同居の現役世代の所得は関係なし)
  • 医療費も高い場合: 高額医療・高額介護合算療養費制度との両立を確認 :::
佐藤
「世帯分離」って何ですか?
室谷
同居していても住民票上の世帯を別々にすることです。たとえば親子で同居していても、住民票上の世帯を分けると「別世帯」として扱われます。介護費用の計算においては住民票上の世帯単位で合算するので、世帯分離しているかどうかで計算が変わります。
佐藤
なるほど!世帯分離については自治体に相談しながら考えたほうがよさそうですね。では、最後によくある質問をまとめてもらえますか?

世帯分離と高額介護サービス費の関係

佐藤
先ほど「世帯分離」の話が出ましたが、もう少し詳しく教えてもらえますか?介護費用対策として世帯分離をするというのを聞いたことがあるんですが。
室谷
世帯分離とは、住民票上の世帯を分けることです。たとえば、子ども世帯と親世帯が同じ家に住んでいても、住民票の世帯を別々に届け出ることができます。これが介護費用にどう影響するかというと、住民税の課税状況は「世帯」単位で判断されるため、子世帯が課税されていても、親世帯が非課税なら親は非課税世帯として扱われる場合があります。
佐藤
つまり、子どもが高収入でも、親世帯を別世帯にすれば、親の高額介護サービス費の上限が低くなる(有利になる)可能性があるということですか?
室谷
そういうケースがあります。ただし、世帯分離は単に費用を節約するための手段ではなく、本当に生計を別にしているかどうかが本来の判断基準です。また、世帯分離によって扶養控除や健康保険などの他の制度に影響が出ることもあるため、メリットとデメリットを総合的に判断する必要があります。
佐藤
一つの制度だけを見て判断するのは危険ですね。
室谷
そうです。世帯分離を検討する場合は、市区町村の介護保険担当や、ケアマネジャー、社会福祉士などの専門家に相談することをおすすめします。
佐藤
なるほど。では、複数の市区町村に住所がある場合(たとえば施設入所で住民票を移した場合など)はどうなりますか?
室谷
施設に入所したときに住民票を施設のある市区町村に移した場合、申請先は施設所在地の市区町村になります。ただし、介護保険の保険者は原則として住民票の住所地の市区町村なので、施設入所後に住民票を移した場合でも、転居前の市区町村が保険者となるケース(住所地特例)があります。施設に入所する際はケアマネジャーや施設の相談員に確認してみてください。

令和3年8月改正の詳細と今後の見通し

佐藤
令和3年8月の改正の話が出ましたが、介護保険制度はこれからも変わっていくのですか?
室谷
はい、介護保険は3年ごとに制度改正が行われます。高額介護サービス費の上限額も、改正のたびに見直されることがあります。令和3年の改正では現役並み所得者の負担が増えましたが、これは「能力に応じた負担」という方向性からきています。
佐藤
では今後も上限額が変わる可能性があるわけですね。
室谷
そうです。特に団塊の世代がすべて75歳以上になる「2025年問題」を経て、介護保険財政への圧力が高まっています。今後の制度改正で上限額がさらに見直される可能性は十分あります。制度の最新情報は必ず厚生労働省や市区町村の公式情報で確認することが大切です。
佐藤
では、現時点(令和6〜7年度)の改正で変わったことはありますか?
室谷
直近では、令和3年8月改正の内容が引き続き適用されています。新たな大きな改正は令和6年度から段階的に実施されていますが、高額介護サービス費の上限額自体については引き続き確認が必要です。大きな変更があった場合は必ず市区町村から通知が届きますので、見落とさないようにしてください。
佐藤
わかりました。大事な制度だからこそ、改正情報のアンテナを張っておく必要があるんですね。
室谷
そうです。ケアマネジャーも情報を持っていることが多いので、定期的なモニタリング訪問のときに聞いてみるのもいいですよ。

住所地特例と介護保険の保険者

佐藤
「住所地特例」というのは何ですか?
室谷
介護保険は原則として「住民票のある市区町村」が保険者(保険を運営する主体)となります。しかし、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設に入所するとき、施設のある市区町村に住民票を移すと、施設の多い市区町村に負担が集中してしまいます。これを防ぐため、施設入所前に住んでいた市区町村が引き続き保険者となる特例が「住所地特例」です。
佐藤
ということは、施設に入所しても、以前住んでいた市区町村に高額介護サービス費を申請することになるわけですね。
室谷
そうなるケースがあります。ただし、施設の種類や状況によって異なりますので、入所時に施設の相談員やケアマネジャーに必ず確認してください。手続きの窓口を間違えると、申請が遅れる場合があります。
佐藤
制度を知っているだけでなく、どこに問い合わせればいいかを把握しておくことも重要なんですね。
室谷
まさにそうです。介護は複数の制度が複雑に絡み合っているので、「担当ケアマネジャーに聞く」「市区町村の介護保険担当窓口に相談する」というのが一番確実な方法です。専門家を使わない手はないですよ。
佐藤
制度を知ることから始まって、実際には専門家のサポートを得ながら進めることが大切なんですね。
室谷
そうです。介護保険は複雑な制度ですが、ケアマネジャーや市区町村の相談窓口はまさにそのためにあります。一人で抱え込まずに相談してください。

よくある質問

佐藤
制度を知らないで申請し忘れていた場合は、遡って申請できますか?
室谷
できます!サービスを利用した月の翌日から2年以内なら申請が有効です。例えば2年前のサービス利用分でも、今から申請すれば受け取れます。まずは市区町村窓口に相談してみてください。
佐藤
ありがとうございます。じゃあ、要支援の場合は使えないんですか?
室谷
使えます!要支援1・2の方には「高額介護予防サービス費」という名称の制度があります。仕組みや上限額は要介護の方と同じです。要支援の方も申請できるので、ぜひ確認してください。
佐藤
施設と在宅両方使っている場合はどうなりますか?
室谷
合算できます。同月内に使った複数のサービスの自己負担を全部合計して、上限額を超えた分が払い戻されます。デイサービス+ヘルパー+ショートステイを組み合わせている場合も、全部合わせた自己負担で計算します。
佐藤
最後に、この制度と似ている制度や合わせて使える制度があれば教えてください。
室谷
いくつかあります。よく一緒に使われる制度を整理しますね。
制度名 内容 関係性
介護保険制度(要介護認定) 介護サービスを受けるための認定制度 前提として必要
高額医療・高額介護合算療養費制度 医療と介護の年間合算上限 両立可能(年間単位)
特定入所者介護サービス費(補足給付) 施設の食費・居住費の補助 施設入所者向け(別制度)
高額介護予防サービス費 要支援者向けの同制度 要支援者はこちら
佐藤
なるほど!高額介護サービス費は介護保険の自己負担が多い人向けのセーフティネットで、医療費と組み合わせる場合は合算療養費制度も使えるということですね。
室谷
まさにそうです。特に介護が必要な状態で医療費も高い世帯には、複数の制度を組み合わせることで家計の負担をかなり軽減できます。知っているか知らないかで、実際に受け取れる金額が大きく変わるので、まず市区町村の介護保険窓口に一度相談してみることをおすすめします。
佐藤
今日はありがとうございました!早速市区町村の窓口に行ってみます!

制度の基本情報まとめ

項目 内容
制度名 高額介護サービス費
根拠法令 介護保険法第51条・第61条
実施主体 市区町村(介護保険担当部署)
対象者 介護保険被保険者(要介護・要支援認定者)
対象費用 介護保険サービスの利用者負担分(1〜3割)
自己負担上限額 所得区分により15,000円〜44,400円(月額、世帯)
申請方法 市区町村窓口・郵送(初回のみ申請)
申請期限 サービス利用月の翌日から2年以内
払い戻し時期 通常サービス利用月の約3か月後
問い合わせ 住所地の市区町村の介護保険課

:::pointbox{title="お問い合わせ先"} 住所地の市区町村(市役所・区役所・町村役場)の介護保険担当窓口にお問い合わせください。

  • 窓口: 市区町村の介護保険課・介護保険担当部署
  • 申請: 直接窓口へ持参、または郵送での申請も可(市区町村により異なります)
  • 相談: 申請方法や必要書類など、わからないことはお気軽にご相談ください :::

:::warning{title="注意:制度の改正について"} 高額介護サービス費の自己負担上限額は、介護保険の制度改正に伴い変更される場合があります。特に所得区分や上限額は定期的に見直されることがあるため、最新の情報は必ずお住まいの市区町村の介護保険窓口、または厚生労働省の公式サイトでご確認ください。 :::

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、制度は改正される場合があります。最新の要件・金額は必ず上記の公式ページや窓口でご確認ください。