ドイツで377人の睡眠障害患者を対象とした研究(Weihrich et al., 2025)では、秋分の頃に深いノンレム睡眠(徐波睡眠:SWS)の時間が春と比べて約32%短くなることが示されました[2]。秋は日照時間の短縮と気温の変化が重なる時期であり、脳が深い眠りに入りにくい状態になりやすいと考えられています。冬の総睡眠時間は夏より平均36分長かった一方で、深い眠りの割合は秋に最も少なくなる傾向が見られました。
また米国の研究(Cui et al., 2015)では、筋肉の交感神経活動(MSNA)のバースト頻度は夏(13.5±5.8回/分)に比べて秋・冬に向けて高まる傾向があり、冬には21.0±6.8回/分に達することが報告されています[1]。交感神経が高い活動状態のままでは、副交感神経への切り替えが起きにくく、深い眠りに入りにくくなることが懸念されます。
冷え体質の若い女性12名を対象にした研究(Kono et al., 2025)では、41℃の温水足浴を行ったグループで副交感神経活動が高まる傾向が見られ、足先の皮膚温が有意に上昇した(p=0.026)と報告されています[3]。浴槽がなくても行える足浴は、手軽な温活の選択肢として参考にできます。桶に41℃前後のお湯を入れ、くるぶしまで10〜15分浸けるだけで血行を促す効果が期待されています。
Cui J, Muller MD, Blaha C, Kunselman AR, Sinoway LI(2015)「Seasonal variation in muscle sympathetic nerve activity」Physiological Reports. PMC4562578 ― 本記事での引用箇所:「季節ごとの筋肉交感神経活動(MSNA)の変化」(冬21.0±6.8 vs 夏13.5±5.8 bursts/min)の根拠
Weihrich K, Bes F, de Zeeuw J, Haberecht H, Kunz D(2025)「Relating Photoperiod and Outdoor Temperature With Sleep Architecture in Patients With Neuropsychiatric Sleep Disorders」Journal of Pineal Research. PMC11707406 ― 本記事での引用箇所:「秋分の頃に徐波睡眠(SWS)が春と比べて約32%短くなる」の根拠
Kono K, Kayashima R, Abe S, Nakajima T, Toyoda S(2025)「Warm-Water Footbathing in Young Women With Cold-Sensitivity Constitution (Hiesho) Increases Parasympathetic Nerve Activity and Promotes Peripheral Circulation」Cureus. PMC12413919 ― 本記事での引用箇所:「41℃温水足浴で副交感神経活動が高まる傾向・足先皮膚温が有意に上昇(p=0.026)」の根拠