医療費・支援制度

自立支援医療(精神通院医療)の医療費を1割にする方法【2026年】

精神疾患で継続的に通院する人の医療費自己負担を原則1割に軽減する制度。うつ・不安・自律神経関連で通院する患者に関係。

精神科通院、お金の不安を一緒に解決しよう

佐藤
最近、「精神科に通いたいけど医療費が心配で…」って友人から相談されたんですけど、こういうとき使える制度ってあるんですか?
室谷
ありますよ! それがまさに自立支援医療(精神通院医療)という制度です。精神疾患で継続的に通院する方の医療費自己負担を、原則1割まで軽減してくれるのが最大のポイントで。
佐藤
ほんとに? 普通って3割負担じゃないですか。1割になるって相当大きいですね!
室谷
えっと、例えば医療費が7,000円かかったとして、3割負担なら2,100円払うところを、この制度を使えば700円で済む。ざっくりで言うと自己負担が3分の1以下になるイメージです。
佐藤
それは大きい! でも「精神疾患」って範囲が広いですよね。うつ病とかも対象になるんですか?
室谷
対象になります。うつ病、不安障害、自律神経の問題に限らず、統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、てんかん、認知症などの脳機能障害、薬物関連障害まで対象になりますよ。
佐藤
えっ、そんなに幅があるんですね。なるほど!
室谷
ただ一点。対象は「通院による継続的な治療が必要な方」なんですよ。入院中はこの制度の対象にならない、というのが大前提です。あくまで通院の医療費を支援する制度です。
佐藤
通院専用なんですね。じゃあ、申請について詳しく聞く前に、まず「使える医療が何か」を教えてもらえますか?
室谷
そこ大事なポイントです! 次のセクションで詳しく見ていきましょう。

対象になる人・ならない人

自立支援医療(精神通院医療)対象者フロー図

佐藤
さっき「精神疾患で通院が必要な方」とおっしゃっていたんですが、誰でもOKなんですか?
室谷
基本的な対象は、通院による治療を継続的に必要とする程度の精神障害を持つ方です。てんかんも含まれます。ただ所得による制限があって。
佐藤
所得制限があるんですか?
室谷
世帯の市区町村民税(所得割)が年23万5千円以上になると、原則として対象外になります。ただし「重度かつ継続」という条件に当てはまる場合は、令和9年3月31日までの経過措置として対象になれます。
佐藤
23万5千円って年収で言うとどのくらいですか?
室谷
所得割なので年収とは直接対応しませんが、だいたい年収600〜700万円台くらいがボーダーラインになることが多いですね。ただ世帯構成や控除で変わるので、窓口で確認するのが確実です。
佐藤
なるほど。じゃあ「重度かつ継続」ってどういう人のことを指すんですか?
室谷
2つのパターンがあって、まず「疾病による判定」。統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害のいずれかを診断されている方がひとつ。もうひとつは「費用による判定」で、直近1年間で高額療養費が4回以上になっている「多数該当」の方です。
佐藤
うつ病や双極性障害って、それ自体が「重度かつ継続」の条件に入るんですね。
室谷
そうです。所得が高めでも、これらの診断があれば経過措置の対象として使えるケースがあります。ちなみに所得制限の判定に使う「世帯」は、住民票の世帯ではなく同じ医療保険に加入している人で判断します。この点が混乱を生みやすいので注意です。
佐藤
マジですか! 住民票の世帯と違うんですね。それは知らなかった。じゃあ次は、実際にいくら得できるのか教えてください!

自己負担額と上限月額のしくみ

自立支援医療(精神通院医療)自己負担上限月額一覧表

佐藤
1割負担になるのはわかったんですが、毎月の上限ってどうなってるんですか?
室谷
所得に応じて上限月額が決まっています。テーブルで整理しますね。
所得区分 自己負担割合 月額上限
生活保護受給世帯 負担なし 0円
低所得1(非課税・収入80万円以下) 1割 2,500円
低所得2(非課税・収入80万円超) 1割 5,000円
中間所得(市区町村民税23.5万円未満) 1割 高額療養費制度の限度額
一定所得以上(市区町村民税23.5万円以上) 通常保険割合 制度対象外
佐藤
非課税世帯の方はかなり助かりますね! 2,500円か5,000円って、月の上限なんですよね?
室谷
そうです。その月の1割負担の合計が上限に達したら、それ以降はその月は負担ゼロになります。何か所の病院・薬局を使っても合算されます。
佐藤
複数の病院を使っても合算されるんですか? それは助かる!
室谷
ただ注意点があって、複数の医療機関を利用する場合は受給者証に記載された医療機関のみが対象です。申請時に利用する医療機関・薬局を指定する必要があります。変更したい場合は都度変更申請が必要です。
佐藤
事前に医療機関を登録しておく必要があるわけですね。
室谷
そうです。それと「重度かつ継続」に該当する場合は、中間所得層でも上限月額が低くなります。市区町村民税33,000円未満なら5,000円、33,000円以上235,000円未満なら10,000円、235,000円以上でも20,000円が上限になるんです。
佐藤
「重度かつ継続」だと高所得の人でも上限が設けられるんですね。じゃあ実際の申請はどう進めたらいいんですか?

申請の流れとステップ

佐藤
申請って難しそうなイメージがあるんですが、どこに行けばいいんですか?
室谷
窓口はお住まいの市区町村です。特別区(東京23区)の場合は保健所や保健センター、市町村の場合は市役所・町村役場の障害者福祉担当窓口に行きます。
佐藤
診断書が必要なんですね。主治医に頼む必要がある。
室谷
そうです。ただ、すでに精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、新規申請の場合に限り手帳の写しで代替できる場合があります。診断書の費用負担を減らせるので、手帳がある方は窓口で確認してみてください。
佐藤
あと、受給者証の有効期限ってあるんですか?
室谷
1年間です。更新を希望する場合は有効期限の3か月前から申請できます。なお、診断書の提出は2年に1度でいいんですが、受給者証の更新手続き自体は毎年必要なので忘れずに。
佐藤
更新し忘れると使えなくなっちゃう、ということですね。
室谷
そうです。更新を忘れた場合は「再開申請」になって診断書が改めて必要になります。有効期限が切れる前に動くのが大事ですね。

:::warning{title="期限切れに要注意"} 受給者証の有効期間は申請受理日から1年間(1年後の前月末まで)です。期限切れになると「再開申請」が必要になり、診断書も改めて求められます。有効期限の3か月前になったらすぐに更新手続きを始めましょう。 :::


必要書類チェックリスト

佐藤
書類の種類が多くてちょっと不安なんですよね。まとめてもらえますか?
室谷
もちろんです。新規申請で必要なものをまとめておきますね。
書類 備考
支給認定申請書 窓口に様式がある。区市町村によりマイナンバー記載が必要
自立支援医療診断書(精神通院) 申請日から3か月以内に主治医が作成したもの
医療保険の加入を示す書類 保険証のコピー(受診者と同一「世帯」全員分)
所得・課税状況を示す書類 市区町村民税の課税・非課税証明書等
本人確認書類 マイナンバーカード、運転免許証等
マイナンバー確認書類 個人番号カード、通知カード等
佐藤
精神障害者保健福祉手帳がある場合はどうなりますか?
室谷
その場合、新規申請なら診断書の代わりに手帳の写しを使えることがあります。ただし「重度かつ継続」として申請するときは別途意見書が必要です。
佐藤
なるほど。代理人が申請することもできますか?
室谷
できます。ただし代理人の場合は、代理権の確認書類(法定代理なら戸籍謄本、任意代理なら委任状)と代理人の本人確認書類が追加で必要になります。

:::pointbox{title="ポイント: 窓口相談で聞きたい3つのこと"}

  • 「自分の世帯の所得区分がどれに当てはまるか」
  • 「指定医療機関の登録はどうすればよいか」
  • 「現在の精神障害者保健福祉手帳で診断書を省略できるか」

窓口では遠慮せずこの3点を確認するだけで、手続きがぐっとスムーズになります。 :::


申請先・窓口情報まとめ

佐藤
申請先について改めて整理してほしいんですが。
室谷
申請先の基本情報をまとめておきましょう。
項目 内容
申請先 お住まいの市区町村(特別区は保健所・保健センター等、市町村は障害者福祉担当窓口)
実施機関 厚生労働省(制度)、都道府県・市区町村(窓口)
有効期間 申請受理日から1年間
診断書提出頻度 新規時は毎回、更新時は2年に1度
公式情報 厚生労働省 自立支援医療
佐藤
都道府県によって窓口の名前が違う場合もありそうですよね。
室谷
はい、名称は自治体によって変わります。「市役所・区役所の障害福祉課」や「保健センター」など呼び名が違っても、受け付けてくれる場所を電話で確認してから行くとスムーズです。
佐藤
そうですね。事前に電話確認が一番ですね。申請の流れがだいぶわかってきました! 次は、実際にこの制度を使う上での注意点を聞かせてください。

制度を使う上での注意点とよくある誤解

佐藤
使い始めてからハマりやすいポイントってありますか?
室谷
代表的なものを押さえておきましょうか。まず一番多い誤解が「どこの病院でも使える」と思ってしまうことです。
佐藤
あ、さっきおっしゃってた「指定医療機関」の話ですね。
室谷
そうです。受給者証に記載された医療機関・薬局でしか使えません。別の病院に転院したり、新しい薬局を追加したいときは、都度「変更申請」が必要です。変更が認められると申請受理日から変更後の医療機関で使えるようになります。
佐藤
じゃあ急に病院を変えたい場合でも、先に変更申請しておく必要があると。
室谷
基本はそうです。緊急の場合など窓口に相談して対応してもらうこともありますが、通常は事前申請が必要です。
佐藤
あと、自己負担上限月額の管理票って何ですか?
室谷
受給者証と一緒に交付される「自己負担上限額管理票」というもので、月ごとに各医療機関での自己負担額を記録していくものです。複数の病院・薬局を利用する場合、それぞれで記録してもらうことで月の上限に達したら以降は窓口負担ゼロになる仕組みです。
佐藤
自分でその票を管理するんですか?
室谷
はい、受診時に毎回持参して記載してもらいます。なくさないように大切に保管してください。

:::warning{title="指定医療機関の変更を忘れずに"} 転院や薬局の変更を考えている場合は、必ず事前に市区町村窓口で「変更申請」を行ってください。変更申請なしに別の医療機関を受診しても、自立支援医療の適用を受けられません。 :::

佐藤
所得が変わったときはどうなるんですか?
室谷
所得が変わって自己負担上限月額に変更が生じる場合は「変更申請」が必要です。変更申請が認められると翌月1日から新しい上限額が適用されます。年収が大きく変わった年は忘れずに確認してください。

この制度と他の支援制度の関係

佐藤
他の制度と一緒に使えたりするんですか?
室谷
組み合わせられる制度があります。まず、この自立支援医療は医療保険が先に適用されてからこの制度が上乗せされる仕組みです。だから医療保険が前提になります。
佐藤
生活保護との関係は?
室谷
生活保護受給世帯は自己負担0円になります。生活保護と重なる場合でも制度の対象になります。
佐藤
精神障害者保健福祉手帳との違いも気になります。
室谷
別制度ですが、同時申請が可能です。手帳用の診断書1枚で両方申請できることが多いので、通院している方でまだ手帳を持っていない方は同時申請も選択肢に入れてみてください。
比較項目 自立支援医療(精神通院) 精神障害者保健福祉手帳
目的 医療費の自己負担軽減 各種サービス・割引の利用
申請先 市区町村 市区町村
更新 1年ごと 2年ごと
対象 通院中の精神疾患患者 精神障害がある方
佐藤
両方持つことができるんですね。なるほど!
室谷
そうです。制度改正の可能性もあるので、最新情報は必ず市区町村窓口か厚生労働省の公式サイトで確認してください。

:::pointbox{title="制度改正に注意"} 自立支援医療制度は法改正や予算状況により、対象者・自己負担上限月額・経過措置の内容が変わる可能性があります。特に「重度かつ継続」の経過措置(令和9年3月31日まで)は終了後の扱いが変わる見通しです。最新情報は必ず公式サイト・市区町村窓口で確認してください。 :::


よくある質問

佐藤
最後にまとめて、よくある疑問に答えてもらえますか?
室谷
まとめてどうぞ!
佐藤
「申請中は医療費はどうなるんですか?」
室谷
申請中でも、窓口で申請書控えを見せれば暫定的に軽減された自己負担で受診できる場合があります。医療機関に「自立支援医療を申請中です」と伝えて確認してください。
佐藤
「薬局にも適用されますか?」
室谷
はい。指定した薬局での調剤費も対象です。受給者証に記載された薬局であれば1割負担になります。処方箋を出してもらう薬局も事前に登録が必要です。
佐藤
「訪問看護にも使えますか?」
室谷
精神通院医療に関連する訪問看護も対象になります。介護保険で訪問看護を利用している方は介護保険が先に適用されますが、精神疾患の症状による訪問看護については本制度の対象になります。
佐藤
「子どもでも申請できますか?」
室谷
できます。18歳未満の場合は保護者が手続きを行い、世帯の判定では受診者と保護者を同一世帯とみなして計算します。
佐藤
思ったより対象が広くて、使い勝手もよさそうですね!
室谷
精神疾患で通院している方にとってはかなり大きな支援です。「自分が対象かどうかわからない」という方も、まず市区町村窓口に相談してみることをおすすめします。窓口の担当者が一緒に確認してくれます。
佐藤
敷居が高いと思いがちな制度ですけど、まず相談してみることが大事なんですね。

一次情報・申請先: 厚生労働省/市区町村

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、制度は改正される場合があります。最新の要件・金額は必ず上記の公式ページや窓口でご確認ください。